一昨年の、サブプライムローンに端を発した世界的な経済低迷の影響は、特にわが国経済においては尾を引き、景気の低迷は昨年度も続いた。こうした中で、昨年8月には自民党から民主党への政権交代が行われ、景気浮揚の期待も高まったが、外需に頼る我が国産業界は、新興国による需要拡大などの大きな潮流に乗りきれず、極めて厳しい状況であった。
政権交代によって誕生した民主党政権からは、軽油引取税の実態としての税率維持や高速道路無料化に続く上限料金制度の導入案など、トラック運送業界にとっては運賃基準が低迷を続ける中でのコスト増につながる内容ばかりが目に付き、9割を超える中小零細トラック運送事業者の経営環境は今年度も危機的な状態が続く。
このように、トラック運送業界と協同組合は、今、かつてない大きな転換期を迎えている。大手企業においてさえも企業間の連携や事業共同化による事業存続を模索する状況にあって、中小トラック運送事業者においては連携なくしてはこの大転換期を乗り越えることは極めて難しく、そのためにも協同組合組織が有効にかつ機能的に活動し、中小トラック運送事業者を支えていく役割を担わなくてはならない。
そこで、日貨協連ではこうした状況の中で、まず高速道路利用事業については、発表された新たな料金割引制度の内容ではほとんどの中小トラック運送事業者にとってコスト負担増加を招くことになることから、高速道路料金別納制度の時代から協同組合が組合員事業者の高速道路利用において果たしてきた多様な役割を訴え、従来通りの割引と協同組合を契約単位とした利用方式の継続を強く訴えていく。また、関係各方面から広く注目を浴びているWebKITについては、一層の質の向上と量の拡大を図るために会員協同組合の強化を進めていく。
一方、燃料共同購入制度は、利用の集中こそが制度をより強固なものにするとの認識のもと、本制度の加入促進及び利用拡大に積極的に取り組むとともに、利用者会議の充実による価格交渉力強化を目指すほか、新たな燃料共同購入方式の導入やより多くの協同組合への燃料共同購入事業の普及についても積極的に検討を進めていく。
このほか、事業協同組合の経営の安定化と基盤強化を図るための各種経済事業についても、協同組合による損害保険代理店事業への取り組みや環境問題への対応強化が叫ばれる中での対応事業など、従来の発想にとらわれることのない新しい事業の発掘に積極的に取り組むとともに、日貨協連の行う各種事業の一層の利用増を図るための広報活動の強化にも取り組む。
これら諸事業の推進に当たっては、社団法人全日本トラック協会と緊密な連携を保ちつつ、トラック運送業界におけるすべての協同組合の力を結集して取り組んでいくものである。
- 儀式共済制度「にっかセレモニー」
福利厚生のひとつとして(株)全国儀式サービスと提携し、主に機関誌「月刊日貨協連」を通じて制度内容の周知徹底と利用促進を図る。