事業計画

平成29年度事業計画

Ⅰ.策定基調

Ⅱ.事業計画

Ⅰ.策定基調

 我が国における貨物輸送の約9割を担うトラック輸送は、インターネット通販の浸透により個人物流量の増加が顕著なこと等を背景に、有効求人倍率が全体有効求人倍率の約2倍になる等、慢性的な人手不足に一層拍車がかかってきているのに加え、ドライバーの就業者年齢構成は、他の産業よりも高く且つ若年層の割合が少ないことから、長期的に見ても高齢化による労働力不足が予測されている。そのため、ドライバーの労働環境の改善や準中型自動車免許が新設されるなど、行政・業界両面からドライバー確保への働きかけが行われている。
 また、高速道路問題についてみれば、平成29年4月1日より、高速道路3社に首都高速道路㈱、阪神高速道路㈱及び本州四国連絡高速道路㈱の3社を加えた高速道路6社よる「車両制限令違反者に対する大口・多頻度割引停止措置等の見直し」として、車両制限令の違反情報を各社で共有し「違反点数」、「累計期間等」及び「違反項目」と「割引停止措置等の実施方法」の見直しが行われた。
 以上のように、業界を取り巻く環境は依然として厳しく、小規模事業者が大半を占めるトラック運送事業者単独では解決できない諸問題が山積している。
 このような状況下、日貨協連では協同組合の経営基盤が強くなければ組合員事業を支援することはできないことを強く意識し、平成29年度事業に取り組むことを基本に、高速道路料金・過積載問題や燃料対策等に加え、平成26年の創立50周年を機に、ここ数年来取り組んできた組織見直しの総仕上げの年として事業計画を策定する。
 組織見直しについては、既に昨年6月の総会で承認された中間答申の中で最終答申を待たず、出来ることから着手すべきとの指摘を受け、一部経済事業の活性化や見直しを順次進めている。又、複雑化する関係法や労務、税理などの外部専門家の活用、事務局体制の強化も進めていく。
 経済事業については、各保険事業、資材等斡旋事業を本年度も業績向上を目指して事業展開していく。特に日貨協連貨物補償制度、全国トラック事業グループ保険、日貨協連取引信用保険など今後とも幹事会社、トラック協会等の連携強化等により加入者の増加を目指していく。
 また、平成28年度に全日本トラック協会からの委託を受け開始した「事業用トラックドライバ-研修テキスト」印刷・販売事業は、平成29年度にも相当数の販売部数を見込むなど、その他テキストなども含めて新しいビジネスモデルとして本格的に取り組んでいく。
 なお、会員やトラック協会からの受注が大半を占めた初版販売以降は、既に多数の問い合せを受けている非会員のトラック事業者や隣接業界への販売を強化するなど一定の販売部数は維持していく。
 着実に業績を伸ばしているKIT事業は、中継輸送等の新たな共同輸送の実現を控え、今後への備えにも万全を期す。特に平成23年度に行われたシステムの全面改良から既に5年以上経過しており、数年後に想定されるシステムの全面的な見直しに備えて計画的な積み立てを継続する。
 災害時の事業継続計画(BCP)は、平成27年度に中小企業庁の補助事業、平成28年度は全ト協の委託事業として取り組んでいるが、会員からの研修会開催の要望も多く寄せられていることを受け、次年度は数カ所で講習会を実施するとともに、事業継続に不可欠な有事の燃料確保のあり方について会員相互の給油施設利用などの検討を行う等、日貨協連事業として取り組むこととする。
 以上を踏まえ、平成29年度の重点施策を下記とし、事業の推進を行っていく。


【平成29年度重点施策6項目】

一、連合会・協同組合組織の強化対策と政策的課題対策の推進

一、会員事業者のコスト低減と同時に協同組合経営基盤強化に資する経済事業の推進

一、高速道路料金の大口多頻度50%割引の恒久化実現に向けた活動の展開

一、燃料価格の地域格差是正と非常時における燃料確保対策への取組み

一、WebKITの質・量的拡大と次世代に対応したシステム開発に向けた取組の推進

一、会員の事業経営に役立つ人材確保・育成に係る研修会、情報発信の強化対策の実施


Ⅱ.事業計画

総務委員会所管事業

1.連合会・協同組合の組織強化策の推進

(1)会員増強

 トラック運送業を取り巻く環境はドライバー不足をはじめとして、事業者1社単独では克服することが困難であったり、非効率であったりするため、協同組合に参加して諸問題に立ち向かうことは、従前にも増して必要かつ効率的な手段となっている。
 しかしながら、ここ数年来、会員は減少傾向にあり、期待される協同組合の強みが十分に活かしきれていない状況にある。29年度には、改めて平成26年度に取り纏めた「協同組合の組織活性化に関わる報告書」に沿って組合への新規加入推進を図るとともに、組合未加入事業者が、新規に組合を設立し、日貨協連に加入するようになるための方策等について具体的な検討を行う。


(2)ブロック会議

 委員会の再編、統廃合や委員数の低減は、一方で日貨協連と会員間の連絡体制が希薄になる懸念が想定される。そのため日貨協連は各種連絡会議(ブロック別・都道府県別・東西別等の地域間、組合員・事務局別)の開催により会員と積極的な情報交換、意見交換の場を設定する。


2.通常総会並びにトラック運送事業協同組合全国大会の開催・準備

(1)鹿児島大会

 平成29年6月8日(木)に九州ブロックの鹿児島県鹿児島市において第53回通常総会並びに第13回トラック運送事業協同組合全国大会・懇親会を開催する。開催準備にあたっては、設営幹事である鹿児島県運送事業協同組合連合会(大迫秀夫会長)と連携し、会員連合会・協同組合の相互連携強化と組織強化の意識向上に努める。


(2)北海道ブロック全国大会

 平成30年6月に第54回通常総会並びに第14回トラック運送事業協同組合全国大会を北海道で開催する。開催にあたっては設営幹事となる協同組合の協力を受け準備を進める。


3.広報活動の展開

 日貨協連および会員連合会・協同組合と会員事業者が関係団体等と良好な関係が構築できるよう、適切かつ優良な情報を適宜発信する。


4.事務局体制の強化

 各部門間の連携や連絡体制を強化、充実させるために役職員の資質向上が可能となる取り組みを行う。具体的には外部教育機関等への参加、各種資格の取得支援、定期的人事異動の実施による多能化、待遇改善等の整備に取り組む。


5.情報発信の強化

(1)情報化への取り組み

 組合の収益には直接寄与しないものの、組合員事業者は的確で速やかな業界や、業界を取り巻く各種情報の提供を求めている。組合からの的確な情報発信は、組合の求心力を強化していくためには必要不可欠であるものの、組合の環境、体制の整備は事務局体制が一般的には少人数なこともあり、まだまだ十分とは言えない状況にある。
 平成27年度に取り纏めた「協同組合のホームページ作成等情報化に関する調査研究報告書」(日貨協連ホームページ会員専用サイトに掲載中)に示したホームページ等作成ガイドブックの浸透に努める他、会員連合会・協同組合の情報化環境整備に取組んで行く。


(2)情報発信の強化

 日貨協連メールマガジンを通じて会員連合会・協同組合に対し、会員事業者に展開できるように鮮度の良い情報提供に積極的に提供していく。
 また、日貨協連の持つ情報伝達媒体であるホームページ、機関誌(月刊「日貨協連」)、メールマガジンの情報の連携性を高める工夫に取り組んでいく。


6.教育・研修

①事業継続計画(BCP)の定着に向けた研修等活動

 災害時の事業継続計画(BCP)は、平成27年度に中小企業庁補助事業、平成28年度は全ト協の調査委託事業として取り組んできたが、会員からは研修会開催の要望も多く寄せられていることを受け、29年度は数カ所での講習会を実施するとともに、事業継続に不可欠な有事の際の燃料確保のあり方について会員相互の給油施設利用などの検討を行う等、日貨協連事業として取り組む。


7.会員事務局役職員連絡会議

 委員会統廃合により会員間の接触する機会が減少することを踏まえ、組合組織として重要な情報入手・交換の場として積極的に活用する。


8.調査事業

 我が業界を取り巻く環境は従来にも増して大きな変化が起きるようになってきている。全ト協からの委託調査事業として、将来を見通したうえで的確なテーマを選定しながら取り組み、有益な情報を会員宛発信できる取り組みを継続していく。


9.青年組織

 平成27年度より活動を停止し休眠状態となっている青年組織については、協同組合の将来を担う青年組織として活動の再開を目指して準備を行う。尚、当面の活動については、研修事業や各種調査委託事業への積極的な協力を中心としていく。



政策・高速道路委員会所管事業

1.協同組合に係る政策課題の検討と対策

(1)日貨協連の基盤強化に係る課題への取組み

平成28年度の「組織見直し特別委員会」の答申を受け、以下の事項を検討し実施する。

・各都道府県の連合会若しくは連絡協議会等の設置に向けた意見集約と設置に向けた 検討の実施

・日貨協連に未加入のトラック運送事業協同組合の加入促進

・会員空白県の解消対策の実施


(2)トラック運送事業協同組合に係る課題への取組み

近年、会員協同組合の経営基盤の弱体化につながる組合員の減少や組合事業の利用減少等の課題と強化を図る対策について、下記を中心に実施する。

・既存組合員の減少に関与が懸念される、いわゆる異業種組合対策の検討

・協同組合が行うドライバー等の人材確保事業に係る課題の抽出と対策の検討

・平成23年度調査事業で行った「協同組合による共同点呼」緩和に向けた検討の取組み


(3)「事業協同組合」に係る課題への取組み

以下に掲げる項目について、協同組合の中央団体「全国中小企業団体中央会」やトラック運送事業の中央団体「(公社)全日本トラック協会等と連携し、関係行政や関係団体に対する要望活動を実施する。

・協同組合及び小規模事業者に対する法人税等の引下げ

・小規模事業者が公正な競争を行える環境の整備

・協同組合による官公需事業の受注体制の強化

・小規模事業者の経営改善等に資する金融政策の充実


2.協同組合の高速道路利用事業に係る課題の検討と要望活動

(1)組合員事業者の高速道路利用増進に寄与する料金制度等の意見の取りまとめと要望活動の実施

・高速道路料金の引下げに係る要望活動の実施

・大口・多頻度割引制度の拡充と恒久化に向けた要望活動の実施

・高速道路の利便性向上に向けた諸課題の把握と要望活動の実施


(2)コーポレートカード契約先の高速道路会社に対する意見の取りまとめと改善に向けた要望活動の実施

・協同組合(コーポレート契約者)の組合員事業者に係る各種情報提供の早期実施に向けた要望活動の実施

・高速道路料金後納制度に係るデータ提供方法改善とその料金に引下げ等に係る要望 活動の実施


(3)高速道路等の適正利用に係る会員連合会・協同組合への指導

平成29年4月1日よりの高速道路6社(東・中・西高速道路㈱、首都高速道路㈱、阪神高速道路㈱、本州四国連絡橋道路㈱)の「車両制限令違反等による大口・多頻度割停止措置の強化」が実施されたことから、以下を行う。

・会員協同組合を通じ関係法に準拠した適正利用を組合員事業者へ指導する。

・上記を的確に行い、関係法や利用規約等を正しく知り適正な利用を推進するための講習会開催について、関係行政や高速道路会社の協力と支援を働きかける。


3.本委員会の下に前年度から継続した小委員会を設置し、問題解決に向けた積極的な活動を推進する。

・「政策検討小委員会」(仮称)

・「高速道路問題検討小委員会」(仮称)



経済事業・燃料対策委員会所管事業

1.協同組合の経済事業促進に資する各種事業の開拓・推進

(1)保険事業

 保険事業については、「日貨協連貨物補償制度」が経済事業収入全体の4割強を占め、続いて「全国トラック事業グループ保険」が2割を占める。このため、これらの保険制度への加入者拡大が、日貨協連の運営基盤強化に直結することから、会員連合会・協同組合の理解と協力を得るため、以下の保険制度ごとに提携する保険会社と一丸となり、加入促進に努める。


① 損害保険部門

1)日貨協連貨物補償制度

 会員事業者の10%加入目標達成に向け、会員連合会・協同組合の協力・支援を得るべく、主幹事「三井住友海上火災保険㈱」を中心に提携保険会社4社が一体となる営業体制の強化し加入促進を図る。
 また、かねてより会員連合会・協同組合より求められている総合型損害保険制度について、引続き検討を行う。
 《平成29年度末目標》加入者:1,200事業者
 (参考)平成29年2月末現在:1,071事業者


2)日貨協連取引信用保険

 日貨協連取引信用保険は、協同組合のリスク軽減と組合員の経済負担を同時に解決するための保険であるが、会員連合会・協同組合の加入率は15%台に留まる要因として周知不足との指摘を受けている。
 そこで、保険料率の一部引き下げを平成29年9月の更改時に行うとともに、会員連合会・協同組合と組合員事業者の理解を高める、わかり易いPRツールを提携保険会社「三井住友海上火災保険㈱」と連携し作成し、加入促進を働き掛ける。
 《平成29年度末目標》加入者:110協同組合
 (参考)平成29年4月1日現在:101協同組合


② 生命保険部門

1)全国トラック事業グループ保険

 本保険制度認可要件の契約者団体構成員の1万人以上加入要件は、契約者の(公社)全日本トラック協会及び地方協会並びに日貨協連会員連合会・協同組合の協力を得て、平成28年3月末には1万895人となり、制度維持が保たれた。
 しかし、100万人を超えるトラック運送業界においては1%台に留まっており、さらに本制度が安定し運営するためには、一層の普及促進に務めなければならない。
 そこで、昨年度に三井生命保険㈱に変更した主幹事会社を中心に、提携生命保険会社6社が連携し全国のトラック協会と日貨協連会員連合会・協同組合への積極的な加入促進を実施し、下記目標達成に務める。
《平成29年度3月末目標》加入者:1万2千人 (参考)平成29年4月末現在:1万941人


(2)資材斡旋事業(共同購買事業)

①既存斡旋事業の見直し

 流通体系の変化に伴い、単に協同組合の集中購買によるスケールメリットのみでは価格的優位性が発揮できなくなり、協同組合の共同購買事業は減少傾向にある。  しかし、会員連合会・協同組合の中には日貨協連に取りまとめを求める要望を尊重し、高品質でかつ低廉な価格で提供することに務める。


②新規斡旋事業の展開

 平成28年度より新たに取り組んだ「事業用トラックドライバー研修テキスト」や「新免許制度対応ステッカー」など、(公社)全日本トラック協会が制作した書籍等の取扱事業が本格化することから、受注や配送などの運営体制を構築し対応する。  また、平成28年度から一部で検討を開始した協同組合事業による人材確保支援事業や新たな方式の車両リース事業などについては、喫緊の課題であることから積極的な検討を進める。


(3)効果的な経済事業の拡大及び利用促進につながる情報提供等の検討

 会員連合会・協同組合に対し、日貨協連が実施する保険事業や資材斡旋事業が十分に伝えきれていないことが、経済事業の活性化を阻害しているとの指摘を受けている。
 そこで、各事業の案内を利用者ニーズ目線で見直しし、広報媒体についてもより積極的に日貨協連ホームページを活用して、タイムリーでわかり易い情報提供に務めるとともに、ホームページから直接注文ができるような制度や仕組みについても検討することとする。


(4)日貨協連経済事業説明会の開催

 平成23~24年度に全国9か所で行った「日貨協連事業説明会」は、会員連合会・協同組合及び組合員事業者にわかり易いと評価を受け、利用促進に効果があった。
 そこで、本年度よりの再開を目指し、日貨協連主要事業のWebKIT事業や教育研修事業など、会員連合会・協同組合やその事業者に役立つ情報提供等を企画し実施する。


2.燃料価格の地域格差是正と非常時における燃料確保対策の取組み

(1)燃料価格の地域格差是正への取組み

① 日貨協連燃料共同購入制度加入協同組合の拡大

 平成19年度に事業開始した本制度は、6連合会傘下14組合と13単協の計27組合が参加しフリート業者5社と提携した直営カードで、昨年度は約2万5百㎘を利用。全国一律価格とすることから、一つのベンチマークとなっている。
 しかし、指標とされることは歓迎するものの、より強い交渉力を発揮するにはさらに本事業への参加連合会・協同組合が求められる。
 そこで、既存の本制度を利用する連合会・協同組合事業を配慮しつつ、新たな加入に向け、情報の提供や加入促進を働きかける。


② 協同組合の燃料共同購入価格の事態に係る調査研究

 平成28年度に協同組合の燃料共同購入価格の実態を本音で話し合うため、燃料対策委員会正副委員長を委員とする非公開検討会を開催し、地域格差や購入条件等の違いによる実態が明らかとなった。
 しかし、実態を開示することは例月の各交渉にも大きな影響を与えることが懸念されるため、一定の期間は非公開で行うことが望ましいとの結論を得たことから、本年度においても同様の方式で小委員会を設置し、事態把握等に務める。


(2)日貨協連全国燃料価格調査の実施

 日貨協連加入総数は630連合会・協同組合であり、本調査に協力する会員はこのうち60となっている。
 過去の調査では、日貨協連の約6割以上が燃料共同購入事業を行っているとのデータがあり、現在の調査協力組合が拡大することにより、密度の高い調査データが集約できるので、本調査に未参加の会員連合会・協同組合に対し協力を呼びかけるとともに、協力する連合会等には調査分析データの提供を行う。


(3)有事における燃料安定確保対策の検討[BCP(事業継続計画)対策関連事業]

 平成27年度よりトラック運送業界において先進的に取り組む日貨協連のBCP(事業継続計画)策定事業は、業界内外から注目を得ているところである。
 南海トラフ巨大地震や首都圏直下型地震が30年以内に発生すると見込まれる今日、6年前の東北巨大地震時に一時的とは言え、燃料供給が途絶えた経験を踏まえたBCP対策を強く会員連合会・協同組合から求められている。
 そこで、日貨協連が行うBCP講習会やワークショップにおいて、有事における協同組合保有の給油施設の共同利用や災害に強い給油施設のあり方などについて意見を出し合うとともに、本委員会の下に設置する「燃料価格実態に関する検討小委員会」の検討テーマとする。


3.本委員会の下に前年度から継続した小委員会を設置し、問題解決に向けた積極的な活動を推進する。

・「経済事業検討小委員会」(継続)

・「燃料価格実態に関する検討小委員会」(仮称)



KIT・情報化委員会所管事業

 トラック運送事業においては、労働力人口の減少や季節・地域間の不安定な輸送需要から、付加価値向上を促す施策として、生産性の向上やトラック乗務員確保のための労働環境改善に向けた取組みが喫緊の課題として検討され、国土交通省において、2020年度までに約2割の生産性を向上させることを目標とする生産性革命プロジェクトが取組まれている。
 こうした状況下、KIT・情報化事業は、輸送効率向上や業務効率化による中小物流事業者の経営改善や環境負荷の低減、さらに情報化の促進といった役割に加え、共同輸配送の推進や中継輸送の普及への取組みなど、物流の付加価値に資する事業として、一層の期待が高まっている。29年度に於いては、トラック運送事業の将来を展望して本事業の更なる成長発展を遂げるため、確固たる品質と信頼を拠所として組織の拡大と強化を図るとともに、ICT(情報通信技術)の進化や社会的要請への対応により変革し多様化するニーズに応える次世代のシステム開発に向けた取組みを推進する。


1.WebKIT品質向上事業

 仲間と共に創る品質を掲げ、WebKIT輸送品質基本方針の遵守と徹底が図られるよう、品質と信頼の向上に資する研修会等を開催し、WebKITにおける取引全般にわたる品質向上の訴求を図り、品質水準の包括的向上に取組む。

(1)WebKIT「輸送依頼書」等の書面化対応機能の利用促進

 輸送前の書面に基づく情報の連絡と共有により、事故やトラブルが無い安全で確実な輸送の完結と適正な取引の実現に向け、WebKIT「輸送依頼書」等書面化機能の利用を各種研修会等において周知を図り利活用の促進に取組む。


(2)適正化促進策の充実と強化

 協同組合ならびに適正化担当者との連携強化を図り、WebKIT全体の適正利用や品質向上に関する事項について、情報や課題を共有する機会を定期的に確保し、WebKIT輸送品質基本方針や各種規定の遵守徹底、事故防止、適正取引に対する意識の高揚など実効的な品質向上施策を進める。


2.WebKIT普及推進事業

 中小物流事業者の経営改善や環境負荷低減、情報化の促進に寄与し、物流の高付加価値化への取組みに資する事業として、更なる普及と加入者の拡大に取組み、組織の拡大と活性化を図る。

(1)普及活動の推進

 日貨協連会員および(公社)全日本トラック協会ならびに都道府県トラック協会と協調・連携して本事業の広報・PRを通じて積極的に加入を呼びかけ、新たな加入者の獲得と組織現勢の拡大ならびに情報化の促進を図る。


(2)加入基盤の整備等

 地域の特性を踏まえ、既存協同組合への働きかけやKIT利用協同組合の設立など、全国のトラック運送事業者が利用できる加入基盤の漸進的な整備に取組む。また、本事業への参加にかかる資格要件について実態を踏まえ検討する。


(3)研修交流の推進

 階層別のニーズに即した適切なテーマに基づき、知見を深める有益な研修会や、地域や部門の特性を活かした緊密な繋がりを享受できるよう、対面のコミュニケーションを軸とする会員間の交流連携や信頼関係の構築、さらには新たなビジネス機会や相互連携の醸成に資する交流会を実施する。


3.情報システム事業

 利用者の拡大に伴いデータ処理量が増大する状況においても、システムの安定稼働を維持するとともに、多様化する会員ニーズと社会的要請に応える次世代のシステムに向けた開発の取組みを推進する。

(1)保守管理の拡充

 最適なシステム運用を追求し、システムの安定稼働の維持に努める。


(2)次世代に対応したシステムの開発に向けた取組みの推進

 将来に向けた拡張面の優位性や最新技術の採用が期待でき、多様化する利用者ニーズと社会の諸要請に応えうる次世代システムの基本計画の策定など開発に向けた取組みを推進する。


4.中継輸送の普及等物流生産性革命に資する取組み

 深刻なドライバー不足への対応を図る業務効率の改善と付加価値の向上による物流生産性革命に関する行政の施策の具体化や動向を踏まえ、中継輸送の普及・実用化に向けた取組みなど、会員利用者における普及や実用化に向けた検討および取組みを行う。


5.数値目標

ID数 29年度
目標
28年度
実績
情報成約数 29年度
目標
28年度
実績
総数 4,670 4,340 荷物制約件数 200,000 198,754
 協同組合 170 167 同成約率 20.0% 17.8%
 事業者 2,365 2,194 車両成約件数 15,000 12,674
 営業所等 500 455 同成約率 10.0% 7.5%
 追加 1,635 1,524

6.情報化推進に資する育成・指導

 実運送の中心をなす車両台数20台前後の企業は、限られた人員で情報伝達・収集に取組みながら事業運営しているが、WebKITという仕組みは、情報化の推進やIT化を推進するうえで有効な手段である。このため日貨協連においてはWebKITの普及を図りながら、会員連合会・協同組合および会員事業者の情報化を進める取り組みを検討、推進していく。


7.本委員会の下に前年度から継続した小委員会等を設置し、問題解決に向けた積極的な活動を推進する。

・「KIT・情報化事業推進小委員会」(仮称)

・「次期WebKITシステムに関する検討ワーキンググループ」(仮称)

・「KIT・情報化事業適正化小委員会」(仮称)



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